月 📖 アル=カマル【第54章】クルアーン~善行を行う機会は与えられている

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アル・カマル(アラビア語: القمر、ローマ字表記: al-qamar、「月」)は、コーランの第54章であり、55節から成る。冒頭の節は月が割れた様子に言及している。空に浮かぶ月が割れるというこの不可思議な景色については、預言者の複数の教友の伝承として記録されている。ちょうどムスリムに対する迫害が始まったころにマッカの夜空に観測されたこの現象は、人々を大いに驚かせたという。アラビア語で「月」を意味する「カマール」(قمر)は、イスラム教徒の間では一般的な名前でもある。

 

54. THE MOON (al-Qamar) 54. THE MOON (al-Qamar)
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القمر【アラビア語】

日本語コーラン第54章

アラビア語 アル・カマル ☟

بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ

١ اقْتَرَبَتِ السَّاعَةُ وَانْشَقَّ الْقَمَرُ

٢ وَإِنْ يَرَوْا آيَةً يُعْرِضُوا وَيَقُولُوا سِحْرٌ مُسْتَمِرٌّ

٣ وَكَذَّبُوا وَاتَّبَعُوا أَهْوَاءَهُمْ ۚ وَكُلُّ أَمْرٍ مُسْتَقِرٌّ

٤ وَلَقَدْ جَاءَهُمْ مِنَ الْأَنْبَاءِ مَا فِيهِ مُزْدَجَرٌ

٥ حِكْمَةٌ بَالِغَةٌ ۖ فَمَا تُغْنِ النُّذُرُ

٦ فَتَوَلَّ عَنْهُمْ ۘ يَوْمَ يَدْعُ الدَّاعِ إِلَىٰ شَيْءٍ نُكُرٍ

٧ خُشَّعًا أَبْصَارُهُمْ يَخْرُجُونَ مِنَ الْأَجْدَاثِ كَأَنَّهُمْ جَرَادٌ مُنْتَشِرٌ

٨ مُهْطِعِينَ إِلَى الدَّاعِ ۖ يَقُولُ الْكَافِرُونَ هَٰذَا يَوْمٌ عَسِرٌ

٩ كَذَّبَتْ قَبْلَهُمْ قَوْمُ نُوحٍ فَكَذَّبُوا عَبْدَنَا وَقَالُوا مَجْنُونٌ وَازْدُجِرَ

١٠ فَدَعَا رَبَّهُ أَنِّي مَغْلُوبٌ فَانْتَصِرْ

١١ فَفَتَحْنَا أَبْوَابَ السَّمَاءِ بِمَاءٍ مُنْهَمِرٍ

١٢ وَفَجَّرْنَا الْأَرْضَ عُيُونًا فَالْتَقَى الْمَاءُ عَلَىٰ أَمْرٍ قَدْ قُدِرَ

١٣ وَحَمَلْنَاهُ عَلَىٰ ذَاتِ أَلْوَاحٍ وَدُسُرٍ

١٤ تَجْرِي بِأَعْيُنِنَا جَزَاءً لِمَنْ كَانَ كُفِرَ

١٥ وَلَقَدْ تَرَكْنَاهَا آيَةً فَهَلْ مِنْ مُدَّكِرٍ

١٦ فَكَيْفَ كَانَ عَذَابِي وَنُذُرِ

١٧ وَلَقَدْ يَسَّرْنَا الْقُرْآنَ لِلذِّكْرِ فَهَلْ مِنْ مُدَّكِرٍ

١٨ كَذَّبَتْ عَادٌ فَكَيْفَ كَانَ عَذَابِي وَنُذُرِ

١٩ إِنَّا أَرْسَلْنَا عَلَيْهِمْ رِيحًا صَرْصَرًا فِي يَوْمِ نَحْسٍ مُسْتَمِرٍّ

٢٠ تَنْزِعُ النَّاسَ كَأَنَّهُمْ أَعْجَازُ نَخْلٍ مُنْقَعِرٍ

٢١ فَكَيْفَ كَانَ عَذَابِي وَنُذُرِ

٢٢ وَلَقَدْ يَسَّرْنَا الْقُرْآنَ لِلذِّكْرِ فَهَلْ مِنْ مُدَّكِ

٢٣ كَذَّبَتْ ثَمُودُ بِالنُّذُرِ

٢٤ فَقَالُوا أَبَشَرًا مِنَّا وَاحِدًا نَتَّبِعُهُ إِنَّا إِذًا لَفِي ضَلَالٍ وَسُعُرٍ

٢٥ أَأُلْقِيَ الذِّكْرُ عَلَيْهِ مِنْ بَيْنِنَا بَلْ هُوَ كَذَّابٌ أَشِرٌ

٢٦ سَيَعْلَمُونَ غَدًا مَنِ الْكَذَّابُ الْأَشِ

٢٧ إِنَّا مُرْسِلُو النَّاقَةِ فِتْنَةً لَهُمْ فَارْتَقِبْهُمْ وَاصْطَبِرْ

٢٨ وَنَبِّئْهُمْ أَنَّ الْمَاءَ قِسْمَةٌ بَيْنَهُمْ ۖ كُلُّ شِرْبٍ مُحْتَضَرٌ

٢٩ فَنَادَوْا صَاحِبَهُمْ فَتَعَاطَىٰ فَعَقَرَ

٣٠ فَكَيْفَ كَانَ عَذَابِي وَنُذُرِ

٣١ إِنَّا أَرْسَلْنَا عَلَيْهِمْ صَيْحَةً وَاحِدَةً فَكَانُوا كَهَشِيمِ الْمُحْتَظِرِ

٣٢ وَلَقَدْ يَسَّرْنَا الْقُرْآنَ لِلذِّكْرِ فَهَلْ مِنْ مُدَّكِرٍ

٣٣ كَذَّبَتْ قَوْمُ لُوطٍ بِالنُّذُرِ

٣٤ إِنَّا أَرْسَلْنَا عَلَيْهِمْ حَاصِبًا إِلَّا آلَ لُوطٍ ۖ نَجَّيْنَاهُمْ بِسَحَرٍ

٣٥ نِعْمَةً مِنْ عِنْدِنَا ۚ كَذَٰلِكَ نَجْزِي مَنْ شَكَرَ

٣٦ وَلَقَدْ أَنْذَرَهُمْ بَطْشَتَنَا فَتَمَارَوْا بِالنُّذُرِ

٣٧ وَلَقَدْ رَاوَدُوهُ عَنْ ضَيْفِهِ فَطَمَسْنَا أَعْيُنَهُمْ فَذُوقُوا عَذَابِي وَنُذُرِ

٣٨ وَلَقَدْ صَبَّحَهُمْ بُكْرَةً عَذَابٌ مُسْتَقِرٌّ

٣٩ فَذُوقُوا عَذَابِي وَنُذُرِ

٤٠ وَلَقَدْ يَسَّرْنَا الْقُرْآنَ لِلذِّكْرِ فَهَلْ مِنْ مُدَّكِ

٤١ وَلَقَدْ جَاءَ آلَ فِرْعَوْنَ النُّذُرُ

٤٢ كَذَّبُوا بِآيَاتِنَا كُلِّهَا فَأَخَذْنَاهُمْ أَخْذَ عَزِيزٍ مُقْتَدِرٍ

٤٣ أَكُفَّارُكُمْ خَيْرٌ مِنْ أُولَٰئِكُمْ أَمْ لَكُمْ بَرَاءَةٌ فِي الزُّبُرِ

٤٤ أَمْ يَقُولُونَ نَحْنُ جَمِيعٌ مُنْتَصِرٌ

٤٥ سَيُهْزَمُ الْجَمْعُ وَيُوَلُّونَ الدُّبُرَ

٤٦ بَلِ السَّاعَةُ مَوْعِدُهُمْ وَالسَّاعَةُ أَدْهَىٰ وَأَمَرُّ

٤٧ إِنَّ الْمُجْرِمِينَ فِي ضَلَالٍ وَسُعُرٍ

٤٨ يَوْمَ يُسْحَبُونَ فِي النَّارِ عَلَىٰ وُجُوهِهِمْ ذُوقُوا مَسَّ سَقَرَ

٤٩ إِنَّا كُلَّ شَيْءٍ خَلَقْنَاهُ بِقَدَرٍ

٥٠ وَمَا أَمْرُنَا إِلَّا وَاحِدَةٌ كَلَمْحٍ بِالْبَصَرِ

٥١ وَلَقَدْ أَهْلَكْنَا أَشْيَاعَكُمْ فَهَلْ مِنْ مُدَّكِرٍ

٥٢ وَكُلُّ شَيْءٍ فَعَلُوهُ فِي الزُّبُرِ

٥٣ وَكُلُّ صَغِيرٍ وَكَبِيرٍ مُسْتَطَرٌ

٥٤ إِنَّ الْمُتَّقِينَ فِي جَنَّاتٍ وَنَهَرٍ

٥٥ فِي مَقْعَدِ صِدْقٍ عِنْدَ مَلِيكٍ مُقْتَدِرٍ

 

月 アル=カマル 朗読音声

 

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月 アル=カマル【日本語訳】

日本語訳クルアーン第54章
 

慈悲あまねく、慈悲深いアッラーの御名において。
1 時は近づき、月は割れた

2 たとえ御しるしを見ても、彼らは背き去って言う。「延々と続く魔術だ」。

3 彼らは (真理を) 嘘であるとし、自分の欲望に従っていた。しかし、すべてのものごとにはその結末がある。

4 彼らには、彼らをおしとどめるための数多の報せがすでに伝えられていたはず。

5 それは深遠な知恵でもあった。しかし警告は役に立たなかった。

6 (ムハンマドよ、) それゆえ彼らに背を向けなさい。呼び出す者が、嫌悪されるところへ呼び出すその日、

7 彼らは目を伏せ、いなごが散るようにその墓から出てきて、

8 呼び出す者の方へ、われ先にと急ぐ、(真理を) 拒んでいた者は言うだろう。「これは苦境の日だ」。

9 彼ら以前にも、ヌーフの民が嘘であるとしていた。われらのしもべが嘘をついているとし、「とり憑かれた者だ」と言ってはねつけた。

10 彼は主に呼びかけた。「私は打ち負かされてしまいました。助けてください」。

11 そこでわれらは、注がれる水と共に天の数多の門を開いた。

12 また大地には数多の泉を湧き出させた。水が、あらかじめ定められていたことのために合わさった。

13 われらは、板と釘 (で造った船) に彼を乗せて運んだ。

14 それ (船) は、われらの見守りの下に走った。これが (真理を) 拒まれたあの者への報酬

15 われらはそれ (船) を、ひとつのしるしとして残しておいた。それで、誰か教えを受け取る者はあるのか。

16 われの懲罰と警告はどのよう (に厳しいもの) であったか。

17 われらはクルアーンを、憶えるにたやすいものとした。それで、誰か教えを受け取る者はあるのか。

18 アード (の民) も、(預言者を) 嘘であるとしていた。それで、われの懲罰と警告はどのよう (に厳しいもの) であったか。

19 われらは惨事の続く日々に、荒れ狂う風を彼らに送った。

20 人々が引き抜かれた椰子の幹のようになぎ払われた。

21 それで、われの懲罰と警告はどのよう (に厳しいもの) であったか。

22 われらはクルアーンを、憶えるにたやすいものとした。それで、誰か教えを受け取る者はあるのか。

23 サムード (の民) も、警告を嘘であるとしていた

24 彼らは言った。「私たちの中にいるたったひとりの、ただの人に過ぎない者に従うのか。そんなことをすれば迷うだけ、錯乱に陥るだけ。

25 私たちのあいだで、彼にだけ戒めが届いたというのか。いいや、彼は途方もない嘘つきだ」。

26 「彼らは明日には知るだろう、誰が途方もない嘘つきかを。

27 彼らに対する試練として、われらは一頭の雌らくだを送ろう。それゆえ彼らを見守り、よく耐えていなさい。

28 そして彼らに報せなさい、水は彼ら (と雌らくだ) のあいだで分かち合い、順番に飲むようにと」。

29 しかし彼らは仲間を呼び寄せた。その者は、向こう見ずにもその (雌のらくだの) 腱を切った。

30 それで、われの懲罰と警告はどのよう (に厳しいもの) であったか。

31 われらは彼らに咆哮の一声を送った。彼らは (家畜を囲う) 柵の枯れ枝のようになった。

32 われらはクルアーンを、憶えるにたやすいものとした。それで、誰か教えを受け取る者はあるのか。

33 またルート (の民) も、警告を嘘であるとしていた

34 われらは彼らの上に石の嵐を送った。しかしルートの家族だけは夜明けに救った、

35 われらの許からの恩寵として。このようにわれらは、感謝する者に報いる。

36(ルート) はわれらの一撃を彼らに警告していた。しかし彼らは警告を疑っていた。

37 彼らは、彼の客人までも (彼らに引き渡すよう) 要求した。それでわれらは彼らの目 (から視力) を消し去った。「われの懲罰と警告を味わえ」。

38 そして朝早く、不動の懲罰が彼らを襲った。

39 「われの懲罰と警告を味わえ」。

40 われらはクルアーンを、憶えるにたやすいものとした。それで、誰か教えを受け取る者はあるのか。

41 かつてフィルアウンの一族にも、警告は到来していた

42 しかし彼らは、われらの数多のしるしをすべて嘘であるとしてした。そこでわれらは彼らを、威力ある全能者の捕え方をもって捕えた。

43 あなたがた (真理を) 拒む者の方が、これらの者よりも良いとでもいうのか。それとも啓典の中に、あなたがたのための免除があるとでもいうのか。

44 それとも彼らは、「私たちは皆で (互いに) 助け合う集まりです」とでも言うのか。

45 その集まりはやがて敗北する。そして彼らは、背中を向けて去ってゆくだろう。

46 いいや、かの (裁きの) 時こそが彼らに約束された期限。かの時は (現世での敗北よりも) さらにひどく、苦しいものとなるだろう。

47 本当に、罪を犯す者は迷いと錯乱の中にいる。

48 彼らがその顔を下に向け、業火の中へ引きずられるその日。「サカルが触れるのを味わえ」。

49 われらはありとあらゆるものを、あらかじめ計って創造した

50 われらの命令はたった一度、目をまたたくようなもの。

51 われらは、すでにあなたがたの同類を滅ぼしてきた。それで、誰か教えを受け取る者はあるのか。

52 彼らの行ってきたことは、すべて書の中に記されている。

53 小さなもの、大きなもの、すべて書き記されている。

54 本当に、畏れる者は楽園と川の中にいる。

55 全能の王者の御許、真実の座の中に。

 

月 アル=カマルの解説と解釈

解説と解釈クルアーン第54章
 

☪︎ 時は近づき、月は割れた

月は割れたクルアーン第54章

神は前もって、終末の日の到来を予期させるような出来事を現世に起こされる。 預言者ムハンマドの時代、ヒジュラの数年前にこのような出来事が起こった。人々は月が「二つに裂けた」のを見た。その時、預言者は人々に、月が二つに割れたように、世界もまた二つに割れて、新しい世界が築かれるのだと告げた。

このような出来事から学ぶべきことがあるのは間違いない。それは人が心を注いだときにのみ可能なことだ。自分の欲望の奴隷になっている人は、このような出来事を見て、単に『これは魔術だ』と言うだろう。このような出来事を好きなように解釈し、自分には当てはまらないものとして扱うだろう。そういった人々にとっては、もっとも説得力のある理論でさえ無意味なのだ。これらの人々が正気を取り戻すのは、終末の日の到来が突然に襲いかかり、改心する機会を奪われたときだけだろう。

☪︎ これが拒まれたあの者への報酬

拒まれたあの者への報酬クルアーン第54章

(真理を) 拒まれたあの者』とは、預言者ヌーフ(ノア)のことである。

ヌーフの共同体のリーダーたちは、虚偽の威信に溺れ、ヌーフを受け入れる準備ができていなかった。その結果、神の報復に苦しめられた。この罰は、恐ろしい洪水となって現れ、全人類とその住居は水没した。しかし、ヌーフと神の御目にかなった信仰者たちは、神の命ずるままに箱舟に乗り込んだ。この船は出航し、アララト山脈のジュディ山に着いた。

ヌーフの箱舟は、洪水の後、人々がそれを見て警告を受け取るよう、徴として山頂に残された。

アララトはトルコにある。ある飛行機のパイロットは、雪に覆われたアララト山頂の上空を飛行中に、雪の中に埋もれかかった船のようなものを見たと主張している。もしこれが正しければ、19世紀後半に(モーセ時代の)ファラオの死体がピラミッドから引き出され、神の印となったように(10:92)、ヌーフの箱舟も発見され、人類にとっての神の印となるかもしれない。

☪︎ われらはクルアーンを、憶えるにたやすいものとした

記憶にとどめ、考え、理解することができるよう、クルアーンはすばらしくやさしいものとして下された。この書の全体を暗記しているムスリムは数多く存在する。

☪︎ アードも、嘘であるとしていた

アードの民も神の報復を受けた。神はハリケーンを放ち、人々はまっすぐ立っていられなかった。風は人々を持ち上げ、激しく投げ飛ばし、波は人々を木々に打ち付けた。また、屋根が頭上に落ちてきて押しつぶされた者もいた。これらはすべて、人間は神の前ではまったく無力であり、いかなる力も権威も持っていないという事実を示すものだった。

☪︎ サムードも、警告を嘘であるとしていた

サムードも、警告を嘘であると

サムードの民は、自分たちに遣わされた預言者サーリフを否定した。

預言者は常に普通の人の姿をして現れる。だから、人間は預言者を見分けることができない。同様に、神から遣わされた雌ラクダも、見かけは普通のラクダのようだった。そのため、サムードの人々はそれを見分けることができず、殺してしまった。この世界では、まさにこのような試練がある。ここで人々は、一見普通の人の中に神の代理を、一見普通のラクダの中に神の雌ラクダを見ることを要求される。このテストに失敗した者は、決して正しき道を見つけることはできない。

クルアーンは深い意味を持つ書物であるが、その表現様式は極めて明瞭である。このため、読者の教養が高かろうが低かろうが、クルアーンを理解するのは非常に容易である。

☪︎ ルートも、警告を嘘であるとしていた

ルートの民は、若者の姿かたちをとって現れた天使たちを虐待しようとした。

ルートが真理に呼びかけたとき、積極的に応えた者が何人かいた。真理の偉大さを受け入れ、それに比べれば自分たちは小さい存在だと納得した。しかし、多くの人は同意しなかった。ルートの呼びかけを支持する正当な主張を受け入れずに、拒絶するために偽りの理屈を並べたてた。このような真理の拒絶は大きな罪である。そのため、受け入れた者は助かったが、拒否した者は神に捕らえられた。これは、この世において、真理の呼びかけを拒絶する者の運命は破滅であり、受け入れる者は救いを得ることを示す例である。

☪︎ フィルアウンの一族にも、警告は到来していた

フィルアウンの一族にも、警告は到来していた

フィルアウン(ファラオ)は当時、非常に強力な支配者だったが、真理を拒絶したため、神の目には何の価値もない者となった。その後、彼は他の無力な人間と同じように殺された。この世では、真理に逆らう者は、自らを弱体化させてしまう。

預言者ムハンマドを受け入れることを拒否した人々にとって、以前の預言者たちを拒否した人々に降りかかった致命的な事件には教訓があったはずだ。しかし、拒否した人々はそこから何も学ばなかった。これは全ての民族に言えることである。明確な兆候があったにもかかわらず、自分たちは神の怒りから安全であり、したがって宗教的義務も免除されていると考えてきた。どの共同体も、以前の共同体と同じような傲慢な振る舞いにふけり、その結果、神の報復を受けなければならなくなった。

☪︎ サカルが触れるのを味わえ

「サカル」とは、「業火(ナール)」よりも激しく、辺り一面にあるものを次々と焦がしながら爆発的に燃え続ける地獄の炎のこと。

☪︎ ありとあらゆるものを、あらかじめ計って創造した

あらかじめ計って創造した

世の中のあらゆるものが一定の規則によって支配されているように、人間もまた、決まった原則に従わなければならない。現世で善行を行う機会は与えられている、 同じ原則によって、その行動の場から外され、報酬と罰が与えられる場所に連れて行かれる。 どこにでも現れている創造主の力は、すべての場所で起こることを可能にする。

現世に存在する記録制度は、(来世では)すべての人がその行いに応じて厳正に処遇されるという事実を予告するもの。しかし、そのような事柄はすべて、もともと出来事を深く考察する傾向があり、外見を超えて内面に潜む現実を見ることができる者でなければ理解できない。

 

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THE MOON (al-Qamar)【英語訳】

英語訳クルアーン第54章
 

英語 アル=カマル 月 ☟
In the name of God the Gracious, the Merciful.
1 The Hour has drawn near, and the moon has split.

2 Yet whenever they see a miracle, they turn away, and say, “Continuous magic.”

3 They lied, and followed their opinions, but everything has its time.

4 And there came to them news containing a deterrent.

5 Profound wisdom – but warnings are of no avail.

6 So turn away from them. On the Day when the Caller calls to something terrible.

7 Their eyes humiliated, they will emerge from the graves, as if they were swarming locusts.

8 Scrambling towards the Caller, the disbelievers will say, “This is a difficult Day.”

9 Before them the people of Noah disbelieved. They rejected Our servant, and said, “Crazy,” and he was rebuked.

10 So he appealed to his Lord, “I am overwhelmed, so help me.”

11 So We opened the floodgates of heaven with water pouring down.

12 And We made the earth burst with springs, and the waters met for a purpose already destined.

13 And We carried him on a craft of planks and nails.

14 Sailing before Our eyes; a reward for him who was rejected.

15 And We left it as a sign. Is there anyone who would take heed?

16 So how were My punishment and My warnings?

17 We made the Quran easy to learn. Is there anyone who would learn?

18 Aad denied the truth. So how were My punishment and My warnings?

19 We unleashed upon them a screaming wind, on a day of unrelenting misery.

20 Plucking the people away, as though they were trunks of uprooted palm-trees.

21 So how were My punishment and My warnings?

22 We made the Quran easy to remember. Is there anyone who would remember?

23 Thamood rejected the warnings.

24 They said, “Are we to follow one of us, a human being? We would go astray, and end up in Hell.

25 Was the message given to him, out of all of us? In fact, He is a wicked liar.

26 They will know tomorrow who the wicked liar is.

27 We are sending the she-camel as a test for them; so watch them and be patient.

28 And inform them that the water is to be shared between them; each share of drink made available.

29 But they called their friend, and he dared, and he slaughtered.

30 So how were My punishment and My warnings?

31 We sent against them a single Cry, and they became like crushed hay.

32 We made the Quran easy to understand. Is there anyone who would understand?

33 The people of Lot rejected the warnings.

34 We unleashed upon them a shower of stones, except for the family of Lot; We rescued them at dawn.

35 A blessing from Us. Thus We reward the thankful.

36 He had warned them of Our onslaught, but they dismissed the warnings.

37 They even lusted for his guest, so We obliterated their eyes. “So taste My punishment and My warnings.

38 Early morning brought upon them enduring punishment.

39 So taste My punishment and My warnings.

40 We made the Quran easy to memorize. Is there anyone who would memorize?

41 The warnings also came to the people of Pharaoh.

42 They rejected Our signs, all of them, so We seized them – the seizure of an Almighty Omnipotent.

43 Are your unbelievers better than all those? Or do you have immunity in the scriptures?

44 Or do they say, “We are united, and we will be victorious”?

45 The multitude will be defeated, and they will turn their backs.

46 The Hour is their appointed time – the Hour is more disastrous, and most bitter.

47 The wicked are in confusion and madness.

48 The Day when they are dragged upon their faces into the Fire: “Taste the touch of Saqar.”

49 Everything We created is precisely measured.

50 And Our command is but once, like the twinkling of an eye.

51 We have destroyed your likes. Is there anyone who would ponder?

52 Everything they have done is in the Books.

53 Everything, small or large, is written down.

54 The righteous will be amidst gardens and rivers.

55 In an assembly of virtue, in the presence of an Omnipotent King.

 

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参考図書: