アッ・サジダ (平伏) 📖 as-Sajdah 【第32章】クルアーン~6日間で宇宙が徐々に創造され…

日本語クルアーン第32章アッ・サジダ
【コーラン】アラビア語☪日本語☪英語☪解釈☪音声 【コーラン】アラビア語☪日本語☪英語☪解釈☪音声

アッ・サジダ(السجدة)は、コーランの第32章で、30節から成る。章題は「’prostration’ ひれ伏す」または「’adoration’ 崇拝」と訳され、「…ひれ伏し、称賛をもって主を讃美する」人々について言及している15節から取られている。ヒジュラの五年前に啓示された。本章のおおよその文脈は、神の全能性は、それのみで神を崇拝し、賛美する理由として十分に足るものである。一方で信仰する者たちが来世に待ち望むものと、信仰を否定する者のそれとを比較することにより、警告と勧告が与えられる。また預言者ムハンマドが彼の民から受けた仕打ちについて、彼に対する慰めとして、過去のイスラエルの民のふるまいが例として挙げられている。

 

32. PROSTRATION (as-Sajdah)

スポンサーリンク

السجدة【アラビア語】

アラビア語クルアーン第32章

アラビア語 アッ=サジダ ☟

بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ

١ الم

٢ تَنْزِيلُ الْكِتَابِ لَا رَيْبَ فِيهِ مِنْ رَبِّ الْعَالَمِينَ

٣ أَمْ يَقُولُونَ افْتَرَاهُ ۚ بَلْ هُوَ الْحَقُّ مِنْ رَبِّكَ لِتُنْذِرَ قَوْمًا مَا أَتَاهُمْ مِنْ نَذِيرٍ مِنْ قَبْلِكَ لَعَلَّهُمْ يَهْتَدُونَ

٤ اللَّهُ الَّذِي خَلَقَ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضَ وَمَا بَيْنَهُمَا فِي سِتَّةِ أَيَّامٍ ثُمَّ اسْتَوَىٰ عَلَى الْعَرْشِ ۖ مَا لَكُمْ مِنْ دُونِهِ مِنْ وَلِيٍّ وَلَا شَفِيعٍ ۚ أَفَلَا تَتَذَكَّرُونَ

٥ يُدَبِّرُ الْأَمْرَ مِنَ السَّمَاءِ إِلَى الْأَرْضِ ثُمَّ يَعْرُجُ إِلَيْهِ فِي يَوْمٍ كَانَ مِقْدَارُهُ أَلْفَ سَنَةٍ مِمَّا تَعُدُّونَ

٦ ذَٰلِكَ عَالِمُ الْغَيْبِ وَالشَّهَادَةِ الْعَزِيزُ الرَّحِيمُ

٧ الَّذِي أَحْسَنَ كُلَّ شَيْءٍ خَلَقَهُ ۖ وَبَدَأَ خَلْقَ الْإِنْسَانِ مِنْ طِينٍ

٨ ثُمَّ جَعَلَ نَسْلَهُ مِنْ سُلَالَةٍ مِنْ مَاءٍ مَهِينٍ

٩ ثُمَّ سَوَّاهُ وَنَفَخَ فِيهِ مِنْ رُوحِهِ ۖ وَجَعَلَ لَكُمُ السَّمْعَ وَالْأَبْصَارَ وَالْأَفْئِدَةَ ۚ قَلِيلًا مَا تَشْكُرُونَ

١٠ وَقَالُوا أَإِذَا ضَلَلْنَا فِي الْأَرْضِ أَإِنَّا لَفِي خَلْقٍ جَدِيدٍ ۚ بَلْ هُمْ بِلِقَاءِ رَبِّهِمْ كَافِرُونَ

١١ قُلْ يَتَوَفَّاكُمْ مَلَكُ الْمَوْتِ الَّذِي وُكِّلَ بِكُمْ ثُمَّ إِلَىٰ رَبِّكُمْ تُرْجَعُونَ

١٢ وَلَوْ تَرَىٰ إِذِ الْمُجْرِمُونَ نَاكِسُو رُءُوسِهِمْ عِنْدَ رَبِّهِمْ رَبَّنَا أَبْصَرْنَا وَسَمِعْنَا فَارْجِعْنَا نَعْمَلْ صَالِحًا إِنَّا مُوقِنُونَ

١٣ وَلَوْ شِئْنَا لَآتَيْنَا كُلَّ نَفْسٍ هُدَاهَا وَلَٰكِنْ حَقَّ الْقَوْلُ مِنِّي لَأَمْلَأَنَّ جَهَنَّمَ مِنَ الْجِنَّةِ وَالنَّاسِ أَجْمَعِينَ

١٤ فَذُوقُوا بِمَا نَسِيتُمْ لِقَاءَ يَوْمِكُمْ هَٰذَا إِنَّا نَسِينَاكُمْ ۖ وَذُوقُوا عَذَابَ الْخُلْدِ بِمَا كُنْتُمْ تَعْمَلُونَ

١٥ إِنَّمَا يُؤْمِنُ بِآيَاتِنَا الَّذِينَ إِذَا ذُكِّرُوا بِهَا خَرُّوا سُجَّدًا وَسَبَّحُوا بِحَمْدِ رَبِّهِمْ وَهُمْ لَا يَسْتَكْبِرُونَ

١٦ تَتَجَافَىٰ جُنُوبُهُمْ عَنِ الْمَضَاجِعِ يَدْعُونَ رَبَّهُمْ خَوْفًا وَطَمَعًا وَمِمَّا رَزَقْنَاهُمْ يُنْفِقُونَ

١٧ فَلَا تَعْلَمُ نَفْسٌ مَا أُخْفِيَ لَهُمْ مِنْ قُرَّةِ أَعْيُنٍ جَزَاءً بِمَا كَانُوا يَعْمَلُونَ

١٨ أَفَمَنْ كَانَ مُؤْمِنًا كَمَنْ كَانَ فَاسِقًا ۚ لَا يَسْتَوُونَ

١٩ أَمَّا الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ فَلَهُمْ جَنَّاتُ الْمَأْوَىٰ نُزُلًا بِمَا كَانُوا يَعْمَلُونَ

٢٠ وَأَمَّا الَّذِينَ فَسَقُوا فَمَأْوَاهُمُ النَّارُ ۖ كُلَّمَا أَرَادُوا أَنْ يَخْرُجُوا مِنْهَا أُعِيدُوا فِيهَا وَقِيلَ لَهُمْ ذُوقُوا عَذَابَ النَّارِ الَّذِي كُنْتُمْ بِهِ تُكَذِّبُونَ

٢١ وَلَنُذِيقَنَّهُمْ مِنَ الْعَذَابِ الْأَدْنَىٰ دُونَ الْعَذَابِ الْأَكْبَرِ لَعَلَّهُمْ يَرْجِعُونَ

٢٢ وَمَنْ أَظْلَمُ مِمَّنْ ذُكِّرَ بِآيَاتِ رَبِّهِ ثُمَّ أَعْرَضَ عَنْهَا ۚ إِنَّا مِنَ الْمُجْرِمِينَ مُنْتَقِمُونَ

٢٣ وَلَقَدْ آتَيْنَا مُوسَى الْكِتَابَ فَلَا تَكُنْ فِي مِرْيَةٍ مِنْ لِقَائِهِ ۖ وَجَعَلْنَاهُ هُدًى لِبَنِي إِسْرَائِيلَ

٢٤ وَجَعَلْنَا مِنْهُمْ أَئِمَّةً يَهْدُونَ بِأَمْرِنَا لَمَّا صَبَرُوا ۖ وَكَانُوا بِآيَاتِنَا يُوقِنُونَ

٢٥ إِنَّ رَبَّكَ هُوَ يَفْصِلُ بَيْنَهُمْ يَوْمَ الْقِيَامَةِ فِيمَا كَانُوا فِيهِ يَخْتَلِفُونَ

٢٦ أَوَلَمْ يَهْدِ لَهُمْ كَمْ أَهْلَكْنَا مِنْ قَبْلِهِمْ مِنَ الْقُرُونِ يَمْشُونَ فِي مَسَاكِنِهِمْ ۚ إِنَّ فِي ذَٰلِكَ لَآيَاتٍ ۖ أَفَلَا يَسْمَعُونَ

٢٧ أَوَلَمْ يَرَوْا أَنَّا نَسُوقُ الْمَاءَ إِلَى الْأَرْضِ الْجُرُزِ فَنُخْرِجُ بِهِ زَرْعًا تَأْكُلُ مِنْهُ أَنْعَامُهُمْ وَأَنْفُسُهُمْ ۖ أَفَلَا يُبْصِرُونَ

٢٨ وَيَقُولُونَ مَتَىٰ هَٰذَا الْفَتْحُ إِنْ كُنْتُمْ صَادِقِينَ

٢٩ قُلْ يَوْمَ الْفَتْحِ لَا يَنْفَعُ الَّذِينَ كَفَرُوا إِيمَانُهُمْ وَلَا هُمْ يُنْظَرُونَ

٣٠ فَأَعْرِضْ عَنْهُمْ وَانْتَظِرْ إِنَّهُمْ مُنْتَظِرُونَ

 

アッ=サジダ 朗読音声

 

スポンサーリンク

アッ=サジダ 【日本語訳】

コーラン日本語第32章アッ=サジダ
 

慈悲あまねく、慈悲深いアッラーの御名において。
1 アリフ、ラーム、ミーム。

2 (これは) 疑う余地のない啓典、諸世界の主から下されるもの。

3 それとも彼らは、「彼がねつ造したのか」などと言うのか。いいや、これはあなたの主からの真理。あなた以前には警告者が来なかった民に対し、あなたが警告するためのもの。それで彼らも、導かれるようになるだろう。

4 アッラーこそは諸天と大地と、その間にあるすべてを六日の間に創造し、それから玉座に就いた御方。この御方の他に、あなたがたには庇護者も、とりなす者もない。それでもあなたがたは、いまだ憶えておこうとしないのか。

5 かの御方は、諸天から大地までものごとを司る。そののち、それらは一日でかの御方へと昇る。その (一日の) 長さは、あなたがたの数える千年にあたる。

6 それが目には見えないものと見えるものとを知る御方、もっとも威力ある御方、もっとも慈悲深い御方。

7 創造するあらゆるものごとを最善のものとし、人間の創造を泥から始めた御方。

8 そののち、卑しい水の精髄からその子孫をもうけ、

9 そののちに姿づくり、その中に、この御方の霊を吹き込んだ。そして聞く耳と見る目を、また諸々を感知する心を持たせた。あなたがたのうち、感謝する者はわずかであるが。

10 彼らは言う。「(死んで) 大地の中に失われたときになって、私たちが本当に新しく創造されることがあるだろうか」。いいや、彼らは、主と会すること (の真理) を拒む。

11 言いなさい。「あなたがたのことを託されている死の天使が、あなたがたを召し寄せる。そののち、あなたがたは主に帰されるだろう」。

12 もしあなたに、主の御前でうなだれるときの罪を犯した者たちを見ることができたなら。「主よ。私たちは見ました、聞きました。ですから私たちを (現世に) 帰らせてください。私たちは正しい行いをします。本当に私たちは、(今こそ) 確信しました」。

13 われらがそうと望めば、誰しもが導かれていただろう。しかしわれの告げた「われは地獄を、必ずやジンも人間も、全員で一緒に満たすだろう」との言葉が真理となる。

14 それで (行いの結果を) 味わえ。あなたがたは、この日に会うことを忘れていた。そのためわれらも、あなたがたを (地獄に放置して) 忘れた。永劫の懲罰を味わえ、あなたがたが行ってきたことのゆえに。

15 われらのしるしを信じる者だけが、それが想い起こされるときに身をかがめてひれ伏し、称賛をもって主を讃美する。そして彼らは、高慢ではない

16 寝台からその身を起こし、畏れ敬いつつ希望をもってその主に祈る者、われらが彼らの糧としたものの中から、(他者のために) 費やす者。

17 どの者も、その行ってきたことへの報いとして、目にも涼やかな (喜ばしい) ものが隠されているのを知らない。

18 信じる者と、背く者とが同じようだろうか。彼らは、同じではない。

19 信じて正しい行いをする者たち。彼らのために、その行ってきたことへのもてなしに安息の楽園がある。

20 しかし背く者たち、彼らは業火がその住まい。その中から出ようと欲するたびに、その中に引き戻され、告げられるだろう。「あなたがたが嘘であるとしていた、業火の懲罰を味わえ」。

21 そしてわれらは最大の懲罰の前に、必ずそれよりも身近な懲罰を味わわせる。それにより彼らも、戻ってくることだろう。

22 主の御しるしを憶えておきながら、そののちにそれらから背き去る者よりも不正な者があるだろうか。本当にわれらは、罪を犯す者には復讐するだろう。

23 われらは確かにムーサーに啓典を与えた。それゆえあなたは、彼がそれを受け取ったことに疑いを抱いてはならない。われらは、それをイスラエルの民への導きとした。

24 彼らがよく耐え、われらのしるしを確信したとき、われらは彼らの中から、われらの命令によって彼らを導く先導者をあらしめた。

25 彼らのあいだで相争われていたことについては、復活の日、あなたの主が彼らのあいだを明快にするだろう。

26 彼ら以前に、われらはどれほどの世代を滅ぼしたことか。彼らにとり、それは導きではないか。彼らは、彼ら (滅ぼされた世代) が住んでいたところの中を歩いているではないか。本当にその中には、諸々の御しるしがある。それでも彼らは、聞こうとしないのか。

27 彼らは見ないのか、われらが不毛の大地に水をひいて、それにより穀物を生じ出させ、それを彼らの家畜も、また彼ら自身も食べているのを。それでも彼らは、見ようとしないのか。

28 彼らは言う。「もしあなたがたが真実を語っているのなら、その勝利はいつ来るのか」。

29 (彼らに) 言いなさい。「勝利の日には、(真理を) 拒む者の (その日限りの) 信仰は彼らの益にならず、また猶予してはもらえないだろう」。

30 それゆえ彼らから立ち去り、(しかるべき時の到来を) 待っていなさい。本当に彼らも、待っているのだから。

 

アッ=サジダ の解説と解釈

コーラン日本語の解説と解釈アッ・サジダ
 

☪︎ すべてを六日の間に創造

クルアーン第32章4節の日本語解説と解釈

6つの段階を意味する6日間で宇宙が徐々に創造され、それを支配する叡智に満ちたシステムは、創造主がこの天地創造の背後に何か特別な目的を持っていることを示している。さらに、宇宙では多くのプロセスが絶え間なく進行している。このことは、創造主の綿密な計画によって宇宙が運営されていることをさらに物語っている。人間は素晴らしい生命体だが、人体を分析すると、地球の元素で構成されていることがわかる。そして、この創造のプロセスはそこで終わりではなく、子孫繁栄と再生の過程をとおして永遠に続くのである。

もしこれらの事実を深く真剣に考えるなら、その心は神の威厳以外には畏敬の念を抱かなくなるだろう。神の恩寵を心から感謝するようになるはずだ。しかし、何に対しても深く考察する人はほとんどいない。そのため、神に賛美を捧げ、神に感謝する人は非常に少ないのである。

☪︎ それらは一日でかの御方へと昇る

「一日」とは、私たちが日を数える場合のそれを意味するものではない。私たちが数える「日」とは、地球と太陽の巡りという条件に従ったものであるが、ここでの「日」とは、地球と太陽が創造される以前のものである。この節では一日は千年と勘定され、また 70章 4節では五万年とも記されている。これらの数字はいわゆる「永遠」といったものではなく、非常に長い、計り知れないほどの年月としてとらえるべきである。

☪︎ そうと望めば、誰しもが導かれていただろう

クルアーン第32章13節の日本語解説と解釈

神はその創造物に、何の選択肢も意志も持たせることのない世界を創造することも可能であった。だがそれは、神の意志でも、意図したところでもなかったのである。私たちの知る通り、人間は一定の選択肢と自由意志を持っている。かくして、神は人間が自らまっすぐで純粋な意志を選び取るようにと、人間のためにしるしと手段とを用意した。その必然の結果として、神の法への違背に対する罰が存在する。神の言葉は真理であり、必ず果たされる。罪もまた同様である。

人間を試練にかける目的で与えられた選択の自由。この自由の期間が過ぎ、人が死んで、自分自身の申し開きをするため全能の神の前に立たされるとき、その人は言葉を失うだろう。その時、傲慢な者たちは、自分は今、現実を受け入れたと言い、正しい行いをするために、この世に送り返してくれるように頼むだろう。しかし、その段階での受け入れは無駄である。人々が現実を受け入れることを望んだのであれば、神は現世でそれを受け入れさせることもできただろう。神の前では、現実を見た後の受け入れには何の価値もない。

☪︎ あなたがたを忘れた

ここで神の告げる「われらも、あなたがたを忘れた」とは、「故意に無視し、侮蔑をもって拒む」という意味である。欠如として、あるいは認識上の過誤という意味での「忘れる」は、完全無欠の存在である神にはそぐわない。「私の主は決して迷うこともなく、忘れることもありません(20章52節)」と、明白に告げられている通りである。

☪︎ 彼らは、高慢ではない

クルアーン第32章15節の日本語解説と解釈

人が導きを得るためには、真理を受け入れようとする意志が最も重要な要素である。真理が目の前に現れたらいつでも、どんな人を通して明らかにされたものであろうと、たとえその受け入れが自分自身の誤りを認めるものであろうと、またそれが自分の人生の秩序を揺るがすことになるものであろうと、気質的に、真理を受け入れる用意ができている者だけが、導きを得ることができるのである。真理を受け入れたいが、同時に自分の ” 偉さ ” をそのままにしておきたい者は、決して真理を見つけることはできない。

真理のために自分の偉さを犠牲にする人は、実際に最も偉大なもの、すなわち神の偉大さを見出す。神はその人の人生に入り込み、その人は神のことを考えて眠り、神のことを思い出しながら目覚める。希望と恐れはすべて神と結びついている。自分の所有物をすべて神にゆだね、自分のためには何も持ち帰らない。そのような人は、永遠の楽園の恩恵を永遠に享受する。

☪︎ 目にも涼やかなもの

「目にも涼やかな」とは、最も望ましく、また最も満足を与えるものを指す成句である。現在、置かれている状態将来において授けられる本当の至福がどのようなものであるか、私たちにはほとんど想像もつかないほどである。

☪︎ 信じる者と、背く者とが同じようだろうか

信じる者(mu’min)とは神の真理を受け入れる者のことであり、背く者(faasiq)とは自己保身のためにそれを拒否する者のことである。これらは2つの別個の性質である。性質が全く異なる者同士の運命が同じであるはずがない。

☪︎ もてなしに安息の楽園

ここでの「安息」には避難所や家庭といった意味もある。「家庭」という語感は、心に平安と幸福の姿を描き出す。そこに栄誉と歓待が加われば、幸福という概念がより深まる。

☪︎ 最大の懲罰の前に、必ずそれよりも身近な懲罰

最終的な懲罰は、来世で下されることになる。それは疑う余地もないことである。しかしそれ以前に、それよりも小さな懲罰は、まさしく今、この現世においても下される。それは何らかの不幸という形で訪れるかもしれないし、あるいは良心の呵責に苦しんだり、誰にも打ち明けられずひそかに嘆き悲しんだりといった形で訪れるかもしれない。しかし、こうした小さな懲罰は、実際には慈悲である場合もある。それが悔い改めと立ち直りの機会にならないとも限らないからである。

☪︎ 背き去る者よりも不正な者があるだろうか

最も悪い罪ならびに罪人とは、神の啓示が伝えられたにもかかわらず、悪を好み、神の光に背を向けて立ち去る者である。

☪︎ よく耐え、われらのしるしを確信したとき

クルアーン第32章24節の日本語解説と解釈

ある集団に『神の書』が与えられるということは、その集団に世界の指導者の鍵を授けることに等しい。しかし、そのような地位が与えられるのは、その集団が忍え耐ぶ力を発揮したときだけである。

イスラエルの王や裁判官、預言者たちは、神の法に従い、善良な導きを与え続け、人々は信仰と忠節(忍耐)を保ち続けていた。しかしその状態が終わりを迎えたとき、神の恩寵は取り上げられ、人々は互いに争い合う党派となって分裂し、民としての統一性が失われ、事実上、滅んだのである。

人間は、他人と同じ災難に見舞われないと、出来事から教訓を学ぶことはあまりない。宗教の革新的な解釈を行ってその結果、相違を生じさせた者は、審判の日に最終的に拒絶されるリスクを負い、その後は終わりのない侮辱を経験するだけである。

☪︎ 不毛の大地に水をひいて

古代のマッカでは、多神教徒が支配的で、イスラム教は非常に弱い立場にあった。そのため、多神教徒はイスラム教とイスラム教徒を嘲笑していた。これに対して全能の神は一つの例を示された。神は人々に、乾いた不毛な土地を検討するよう求めた。どう見ても、そこが緑に覆われることはあり得ないように思えた。しかし、神はその土地に雲を張り、雨を降らせた。数日後、乾いた土地は青々とした緑の野原に変わった。同様に、神の力はイスラム教を繁栄させ、世界の支配的な思想へと導くことが可能である。

 
 

『食のハラール入門』本をチェック⇒

食のハラール入門
 
 

PROSTRATION (as-Sajdah)【英語訳】

アッ・サジダ英語訳
 

英語 アッ=サジダ ☟
In the name of God the Gracious, the Merciful.
1 Alif, Lam, Meem.

2 The revelation of the Book, without a doubt, is from the Lord of the Universe.

3 Yet they say, “He made it up.” In fact, it is the Truth from your Lord, to warn a people who received no warner before you, that they may be guided.

4 God is He who created the heavens and the earth and everything between them in six days, and then established Himself on the Throne. Apart from Him, you have no master and no intercessor. Will you not reflect?

5 He regulates all affairs, from the heavens, to the earth. Then it ascends to Him on a Day the length of which is a thousand years by your count.

6 That is the Knower of the Invisible and the Visible, the Powerful, the Merciful.

7 He who perfected everything He created, and originated the creation of man from clay.

8 Then made his reproduction from an extract of an insignificant fluid.

9 Then He proportioned him, and breathed into him of His Spirit. Then He gave you the hearing, the eyesight, and the brains – but rarely do you give thanks.

10 And they say, “When we are lost into the earth, shall we be in a new creation?” In fact, they deny the meeting with their Lord.

11 Say, “The angel of death put in charge of you will reclaim you. Then to your Lord you will be returned.”

12 If only you could see the guilty, bowing their heads before their Lord: “Our Lord, we have seen and we have heard, so send us back, and we will act righteously; we are now convinced.”

13 Had We willed, We could have given every soul its guidance, but the declaration from Me will come true, “I will fill Hell with jinn and humans, altogether.”

14 So taste, because you forgot the meeting of this Day of yours; We have forgotten you; so taste the eternal torment for what you used to do.

15 They believe in Our communications, those who, when reminded of them, fall down prostrate, and glorify their Lord with praise, and are not proud.

16 Their sides shun their beds, as they pray to their Lord, out of reverence and hope, and from Our provisions to them, they give.

17 No soul knows what eye’s delight awaits them – a reward for what they used to do.

18 Is someone who is faithful like someone who is a sinner? They are not equal.

19 As for those who believe and do righteous deeds, for them are the Gardens of Shelter – hospitality for what they used to do.

20 But as for those who transgressed, their shelter is the Fire. Every time they try to get out of it, they are brought back into it, and it will be said to them, “Taste the suffering of the Fire which you used to deny.”

21 We will make them taste the lesser torment, prior to the greater torment, so that they may return.

22 Who is more wrong than he, who, when reminded of his Lord’s revelations, turns away from them? We will certainly wreak vengeance upon the criminals.

23 We gave Moses the Book; so do not be in doubt regarding His encounter; and We made it a guidance for the Children of Israel.

24 And We appointed leaders from among them, guiding by Our command, as long as they persevered and were certain of Our communications.

25 Your Lord will judge between them on the Day of Resurrection regarding everything they had disputed.

26 Is it not a lesson for them, how many generations We have destroyed before them, in whose habitations they walk? Surely in that are signs. Do they not hear?

27 Do they not see how We conduct the water to a dry land, and with it We produce vegetation, from which their livestock eat, and themselves? Do they not see?

28 And they say, “When is this victory, if you are truthful?”

29 Say, “On the day of victory, the faith of those who disbelieved will be of no avail to them, and they will not be given respite.”

30 So turn away from them and wait. They too are waiting.

 

関連記事ルクマーン 📖 Luqman 【第31章】クルアーン~木々を筆にし、海原を7倍に増やしてインクに
関連記事部族連合 (諸部族の同盟) 📖 アル=アハザーブ(アフザーブ)【第33章】クルアーン~神が望む10の徳目とは

 

参考図書: