筆 📖 アル・カラム【第68章】クルアーン~すべて神の恵みによって与えられたもの

クルアーン第68章ル・カラム筆
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アル・カラム(アラビア語: القلم、al-qalam 筆)は、52 節からなるコーランの第 68 章。 この章には神の正義と審判の日が記されている。重要な3つのテーマは、敵対者の反論への応答、不信心者への警告と訓戒、預言者ムハンマドへの忍耐の勧告である。

 

68. THE PEN (al-Qalam) 68. THE PEN (al-Qalam)
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القلم【アラビア語】

日本語コーラン第68章

筆 アル・カラム ☟
アル・カラム筆アラビア語
 

筆 アル・カラム 朗読音声

 

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筆 アル・カラム【日本語訳】

筆アル・カラム日本語
 

慈悲あまねく、慈悲深いアッラーの御名において。
1 ヌーン筆と、それが記したものにかけて

2 あなたの主の恩寵のため、あなたはとり憑かれた者ではない。

3 本当にあなたには、尽きることのない報酬がある。

4 本当にあなたには、大いなる徳がある

5 いずれあなたは見る、そして彼らも見る。

6 あなたがたの、どちらが狂わされているのかを。

7 本当に、その道から迷う者についてはあなたの主がもっともよく知っている。また導かれた者についても、もっともよく知っている。

8 それゆえ嘘をつく者に従ってはならない

9 彼らはあなたに妥協を求める。そうなれば、自分たちも妥協するつもりでいる。

10 あなたは、恥ずべき誓いをたてる者には誰にも従ってはならない。

11 冷笑する者、悪意ある噂を言いふらす者、

12 善事を妨げる者、法外の者、罪深い者、

13 乱暴 (で冷酷) な者、加えて素性のあやしげな者に、

14 財や子どもが (多く) あるからといって (従ってはならない)

15 そうした者は、われらのしるしを読み聞かされると、「そのようなもの、大昔の人の伝説に過ぎない」と言う。

16 いずれわれらが、その鼻の上に烙印を押すだろう。

17 本当にわれらは彼らを試みた、(かつて) 果樹園の仲間たちを試みたのと同じように。彼らが「朝のうちに、すべての果実を摘みとってしまおう」と誓ったとき、

18 (その誓いに) 何の留保も設けなかった。

19 すると彼らが眠っているあいだに、あなたの主から (果樹園に懲罰の) 訪れがあった。

20 それで、(果樹園は) すべて摘みとられたようになった。

21 夜が明けると、彼らは互いを呼びあった。

22 「果実を摘むなら、果樹園に急ごう」。

23 そうして彼らは出かけてゆき、互いに声をひそめて言った。

24 「今日は、貧しい者は絶対に誰も (果樹園に) 入らせないようにしよう」。

25 彼らはそのように決意して、朝早くから出かけていった。

26 しかしそれ (果樹園の様子) を見たとき、彼らは言った。「本当に、私たちは迷っていた。

27 いいや、むしろ私たちの方が奪われてしまった」。

28 彼らのうち、もっとも慎ましい者が言った。「私は言わなかったか、”あなたがたはなぜ (主を) 讃美しないのか”と」。

29 彼らは言った。「私たちの主に讃美あれ。本当に私たちは、不正をなす者でありました」。

30 それから彼らは互いに身を寄せ、相手を責め合った。

31 彼らは言った。「何と惨めなことだろう。本当に私たちは逸脱した者であった。

32 私たちの主は、これ (果樹園) をより良いものと代えてくれるかもしれない。私たちの主に願い求めよう」。

33 懲罰とは (、現世であれば) このようなもの。そして本当に、来世の懲罰はさらに大きい。もし彼らが、知ってさえいたなら。

34 本当に、畏れる者にはその主の御許に至福の楽園がある

35 われらが、(服従する者である) ムスリムを、罪を犯す者のように扱うだろうか。

36 あなたがたはどうしたというのか。どのように判断するというのか。

37 それともあなたがたには啓典があり、そこから何かを学んだというのか。

38 その (啓典の) 中から、何でもほしいままに選べるというのか。

39 それともあなたがたにはわれらとの契約があり、れが復活の日まで続くとでもいうのか。何でも自分たちで判断を下せるというのか。

40 (ムハンマドよ、) 彼らに尋ねなさい。彼らのうち、誰が (そうした主張を) 保証するのか、と。

41 あるいは、彼らには (主に並ぶ) 同輩があるというのか。もし彼らが真実を語っているのなら、彼らにその同輩を連れて来させなさい。

42 (恐るべき事態が起きて) 脛がさらけ出されるその日、彼らはひれ伏すよう呼び出される。しかし、彼らにはできないだろう。

43 彼らは視線を落とし、恥辱に覆われるだろう。かつて彼らは、ひれ伏すよう呼びかけられていた。その頃なら、(ひれ伏すことができるほどには) すこやかであったのに。

44 それゆえ、この (クルアーンの) 話を嘘よばわりする者については、われに任せなさい。われらは彼らの知らないところで、徐々に彼らを (滅びへと) 連れてゆこう。

45 われは彼らを猶予しよう。(しかし) 本当に、われの計画は揺るがない。

46 それともあなた (ムハンマド) が彼らに代価を求め、それで彼らが借財を負うことにでもなったのか。

47 それとも目には見えないもの (の知識) が彼らの許にあり、それを書きとどめておくことでもできるのか。

48 それゆえ、よく耐えてあなたの主の裁きを待ちなさい。苦悶のあまり叫び声をあげたときの、魚の仲間 (ユーヌス) のようであってはならない。

49 もし彼の主の恩寵が、彼に届くことがなかったなら、彼は責めを負わされ、不毛の岸に投げ捨てられていただろう。

50 しかし彼の主は彼を選び、正しい人のひとりとした

51 戒めを聞くと、(真理を) 拒む者たちはあなたを睨みつけてうち負かそうとする。そして彼らは言う「本当に、彼はとり憑かれた者だ」

52 しかし、これ (クルアーン) こそは諸世界への戒めに他ならない。

 

筆 アル・カラムの解説と解釈

筆アル・カラム解説と解釈
 

☪︎ ヌーン

最初の「ヌーン」(Nûnن)は神秘文字である。この種の文字は「アル=フルーフ・クカッタア」とと呼ばれている。この神秘文字が真に意味するところは不明である。しかし注釈者の中には、ここでの「ヌーン」の一字は、インク壺を意味するものであるとの解釈を付与する者もいる。

また 96:4 にも、この節と同じく筆についての言及がある。これは人間に対する「読む」ことの奨励であり、また実際に読む者たちへの注意喚起であるとも解せる。また「ヌーン」の意味を魚だと考える意見も多い。

☪︎ 筆と、それが記したものにかけて

『筆と、それが記したものにかけて』とは、歴史的記録のこと。人間の回顧録が歴史という形で蓄積され、保存されているクルアーンは別格の書物であり、その伝達者は別格の人格である。

クルアーンが神の書物であり、ムハンマドが神の預言者であると認められなければ、これらが別格であるという性質は説明できない。

筆 “وَالْقَلَمِは、”インクとペン “を通じて知識の普及を示す。聖クルアーンは、このインクとペンから書かれたものであり、それはただのペン(qalam قَلَم)ではなく、(Al-Qalamالْقَلَمِ)である。アッラーは広大な御国の中に、聖なる要素、「大いなるペン」(الْقَلَمِ)を創られ、それを証として挙げられる。

この「大いなるペン」が、聖なる守護された石版の上を動く時(52:2)、誰も書けないことを書き、誰も書かれたことを変えることは出来ない。そのペンは主の命令と神意とを書き記す。そして書かれたものは人類に届き、すべての人に共有される。書かれたものは世界の隅々にまで行き渡る。

☪︎ 本当にあなたには、大いなる徳がある

崇高な人格を持つということは、他人の行動の基準より上に立つということである。自分に良くしてくれる人には公平な扱いをする一方で、自分に良くしてくれない人にはひどい扱いをするのが信者のやり方であってはならない。それどころか、たとえ他人が自分に同じことをしてくれなくても、誰に対しても善い行いをすべきだ。預言者の人格は後者のタイプであり、理念を持った人であった。

☪︎ それゆえ嘘をつく者に従ってはならない

『それゆえ嘘をつく者に従ってはならない』とは、真理を否定する者の言葉は受け入れるに値しないという意味。真理の支持者は、理性によって自分の立場を確立している。その言葉と行動には矛盾がない。それに対して、人格的に卑しく、偽りの主張以外には何の取り柄もない敵対者がいる。

真理の伝道者は真理を頼みとするが、敵対者は自らの身分を頼みとする。真理の伝道者は、その見解が非常に矛盾している反対者たちとは異なり、道理を守る者である。健全な心を持つ者にとって、この違いは誰が正しい道を歩み、誰がそうでないかを示すのに十分だろう。

☪︎ むしろ私たちの方が奪われてしまった

この世で人が稼ぐものはすべて、農業や工業など、そういった仕事から得られるように見える。しかし実際には、それはすべて神の恵みによって与えられたものである。

もし人がそれを神からの贈り物と考え、その一部を他の神の属したもののために使うなら、全能の神はその収入を祝福してくださるだろう。反対に、自分の稼ぎを純粋に自分の能力の成果だと考え、他の人々にその報酬を与える心がない者は、その稼ぎが無益なものであることに気付かされるだろう。

これは神の厳格な掟。現世でそれが現れる場合もあるが、来世ではすべての人にそれが現れ、誰一人としてそれを免れることはできない。

☪︎ 畏れる者にはその主の御許に至福の楽園がある

神を畏れない人は、目に見える物質的なものだけを重要視するが、神を畏れる人は、目に見えない真実に真剣に向き合っている。このようなまったく異なる人格が、同じ運命をたどるはずがない。

☪︎ 彼らはひれ伏すよう呼び出される

神が御身を現される審判の日には、真の信者たちは、前世で神の前にひれ伏したように、主の前にひれ伏す。この時、神を否定する者たちも同じようにひれ伏しているであろう(サジダ)。しかし、偽りのサジダを捧げた人々の背中は、現世でそうであったように、硬くなる。そのような人々は、ひれ伏したいと思うときが来ても、できないだろう。創造主であり、主が目の前におられるにもかかわらず、服従することができないのだ。

☪︎ 主は彼を選び、正しい人のひとりとした

布教者とその対象者との関係は非常にデリケートなもの。布教者は、礼儀正しくしなければならない。相手が理不尽なことを言うかもしれないし、軽蔑的な態度をとるかもしれないし、嘘の言い掛かりをつけるかもしれない。要するに、布教者は常に否定的な反応を避けなければならない。布教者が成功するかどうかは、相手の行き過ぎた行為に寛容であることと、物質的な利益を期待しないことの二つにかかっている。

 
 

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TTHE PEN (al-Qalam)【英語訳】

筆アル・カラム英語
 

英語 アル・カラム筆  ☟
In the name of God the Gracious, the Merciful.
1 Noon. By the pen, and by what they inscribe.

2 By the grace of your Lord, you are not insane.

3 In fact, you will have a reward that will never end.

4 And you are of a great moral character.

5 You will see, and they will see.

6 Which of you is the afflicted.

7 Your Lord knows best who has strayed from His path, and He knows best the well-guided.

8 So do not obey the deniers.

9 They would like you to compromise, so they would compromise.

10 And do not obey any vile swearer.

11 Backbiter, spreader of slander.

12 Preventer of good, transgressor, sinner.

13 Rude and fake besides.

14 Just because he has money and children.

15 When Our Verses are recited to him, he says, “Myths of the ancients!”

16 We will brand him on the muzzle.

17 We tested them, as We tested the owners of the garden; when they vowed to harvest it in the morning.

18 Without any reservation.

19 But a calamity from your Lord went around it while they slept.

20 And in the morning it was as if picked.

21 In the morning, they called to one another.

22 “Go early to your plantation, if you are going to harvest.”

23 So off they went, murmuring to one another.

24 “No poor person is to enter it upon you today.”

25 And early they went, resolved in intent.

26 But when they saw it, they said, “We were wrong.

27 We are now deprived.”

28 The most reasonable of them said, “Did I not say to you, ‘if only you would glorify?’”

29 They said, “Glory to our Lord – We were indeed in the wrong.”

30 Then they turned to one another, blaming one another.

31 They said, “Woe to us – we were indeed domineering.

32 Perhaps our Lord will give us a better substitute for it. We are truly turning to our Lord.”

33 Such is the punishment; but the punishment of the Hereafter is greater, if they only knew.

34 For the righteous are Gardens of Delight with their Lord.

35 Shall We treat the Muslims like the villains?

36 What is the matter with you? How do you judge?

37 Or do you have a scripture in which you study.

38 Wherein there is whatever you choose?

39 Or do you have oaths from Us, binding until the Day of Resurrection, that you will have whatever you demand?

40 Ask them, which of them will guarantee that.

41 Or do they have partners? Then let them produce their partners, if they are truthful.

42 On the Day when the Shin will be exposed, and they will be called to bow down, but they will be unable.

43 Their eyes subdued, shame will cover them. They were invited to bow down when they were sound.

44 So leave Me to those who reject this discourse; We will proceed against them gradually, from where they do not know.

45 And I will give them respite. My plan is firm.

46 Or do you ask them for a fee, so they are burdened with debt?

47 Or do they know the future, and so they write it down?

48 So wait patiently for the Decision of your Lord, and do not be like the Fellow of the Fish who cried out in despair.

49 Were it not for his Lord’s favor that reached him, he would have been thrown into the wilderness, fully despised.

50 But his Lord chose him, and made him one of the righteous.

51 Those who disbelieve almost stab you with their glances when they hear the message, and say, “He is crazy!”

52 But it is no less than a reminder to all the Worlds.

 

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参考図書: