ファイナンシャル・アストロロジー重要15人の手法をピックアップ(金融占星術)

ファイナンシャル・アストロロジーの歴史

ファイナンシャル・アストロロジー、つまり金融占星術ってどうやるんだろう?
日本語では情報が少なくわかりづらいです。

今回はファイナンシャル・アストロロジーに関して面白い記事を見つけたので、ざっくりと訳してみたいと思います。

20世紀に始まり、発展進化してきたファイナンシャル・アストロロジーの流れをおさえていくことで、それぞれの手法をじっくり検証し、応用もできるのではないかと思います。

ファイナンシャル・アストロロジーに興味があるならば、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

スポンサーリンク

20世紀におけるファイナンシャル・アストロロジー(金融占星術)

金融市場と占星術については、過去100年間にかなり多くの文献が発表されているので、ここでは限定的にピックアップせざるを得ない。この記事は、それらの研究のハイライトに注目したものである。

ファイナンシャル・アストロロジーの理解と、一般的な占星術の実践に重要なテーマとその結果をいくつか拾ったものだ。ニュースレターで結果を公表しているだけであったり、予測だけを公表し、その予測に至った方法を公表していないものはここでは扱っていない。

この記事で取り上げた各人の使った方法を、読者が理解することができるように、参考文献を提供しようとしたものである。

L. クローン (L. Krohn)

市場価格と占星術のアスペクトを関連づけた最初の研究の1つは、1912年に Modern Astrology に掲載された クローンによるものであった。彼は、占星術が経済に及ぼす影響を調べようと、経済の強さのめやすとして、工業用金属の価格を使った(経済成長は、銅、亜鉛、鉄などの工業用金属の需要が増えることを意味し、したがって価格も高くなる)。

1850年から1906年までの期間に注目し、主要なアスペクトに印をつけた価格のグラフを作成した。彼は木星-土星と木星-天王星のアスペクトを考慮し、いくつかの興味深い相関関係を見出したが、彼が入手したデータは比較的短い期間のため、おそらくこれらを厳密に分析することはしていない。

だが、火星と土星、天王星のアスペクトを調べ、トラインで高値、スクエアとオポジションで安値という繰り返しのパターンを発見している。クローンによって発見された火星ー天王星パターンは、現在でも特にヘリオセントリックでは、いくつかの点で関連性を示しているが、彼が執筆して以来、市場は変化し、もはや当てはまらない。

彼の研究は、ファイナンシャル・アストロロジーの結果を記録する最初の試みとして重要なものだった。トラインは高値を示し、スクエアは低値を示すという占星術の理論から主張するだけでなく、実際に市場に対して理論を検証したのだ。

エヴァンジェリン・アダムス (Evangeline Adams)

エヴァンジェリン・アダムスの知っていたこと

エヴァンジェリン・アダムス は、20世紀初頭に活躍した人物である。彼女はアメリカでの占星術の普及に多くのことを行い、特に銀行家であり金融家であるJ・P・モルガンにファイナンシャル・アストロロジーのアドバイスをしたことで有名である。

彼女はその方法について公表しなかったが、クライアントに行った彼女のリーディングの数々と、1898年6月1日の砂糖に関する詳細な予測が残されている。カレン・クリスティーノがこの資料を分析し、その結果を2004年に出版した『What Evangeline Adams Knew(エヴァンジェリン・アダムスの知っていたこと)』は、アダムスの手法を探求するのに役に立つ本である。

砂糖の予測は、ネイタルチャートに対するトランジット(1887年8月17日12時55分(EST)ニューヨーク)に基づいているが、このチャートが何のイベントに対するものかは不明である。アダムスは取引日の月の動きに特に注意を払っていた。

アダムスの他の金融の予測はないが、ニューヨーク証券取引所のチャートとアメリカ国のチャートが彼女の作業に使われた可能性が高いようである。このように著名なファイナンシャル占星術師の詳細な手法が失われてしまうのは残念だが、クリスティーノの本から学ぶことは多い。

セファリアル (Sepharial)

セファリアル価値観の法則

セファリアル(ウォルター・ゴーン・オールド)は、1912年に金融占星術の本『The Law of Values(価値観の法則)』を出版した。この分野の初期の多くの研究者と同様に、彼はこれをマンデーン占星術として扱い、各国の一般的な経済に関する指標を調べ、クローンと同じく、経済にとって良いと、同時に株価も上昇すると仮定している。

この100年の間に経済や金融市場は大きく変化し、株式市場はもはや経済と同時に反応するとは限らない。また、かつてのように個々の国を切り離して見ることができないため、セファリアルが提唱したタイミング要因はもはや当てはまらない。

彼は、標準的な占星術のシンボルと意味を用いているが、その結果についての厳密な分析は行っていない。このような有名な占星術師が、実際の市場の動きに対する検証を、はるかに知名度の低いクローンよりもずっとわずかしか行っていないのは残念なことである。

The Arcana or Stock and Share Key(アルカナあるいは株式と株の鍵)』(定期購読により個人的に配布され、最近になってさまざまな版で出版された著作のコレクション)では、セファリアルは個々の企業を会社設立の正午のチャートを使い、また特定の証券取引所の正午のチャート(ニューヨーク1792年5月17日正午LMT)を使って株式市場を見ている。

彼が用いた主な手法は「ソーラーアーク」である。これもまた、いくつかの例を挙げただけの指標であり、指標の適切な検証は行われていない。この指標は非常に信頼できるかもしれないし、できないかもしれない。おそらく、彼らは現在の市場で再評価されるべきかもしれない…。

ランガム (James Mars Langham)とジェンセン (L J Jensen)

アストロ・サイクルと投機的市場

ジェームズ・マーズ・ランガムは、1932年に『Planetary Effects on Stock Market Prices(株式市場価格への惑星の影響)』、1938年に『Cyclical Market Forecasting Stocks and Grain(株式と穀物の市場サイクル予測)』を発表している。ランガムは主にトランジットのアスペクトと、個別株の予測には企業の設立時のチャートを使った。

1935年、L・J・ジェンセンは「Astro Cycles and Speculative Markets(アストロ・サイクルと投機的市場)」を出版した。それは、テクニカル分析(ギャンと同じような価格チャート)と占星術的なタイミングの両方を含んでいた。ギャンに興味がある人にとって、ジェンセンの価格チャートとトレンドラインの説明は、ギャンよりもずっとわかりやすい!

ジェンセンのアストロ・サイクルは、ギャンと同じような価格チャートとトレンドラインである。ジェンセンの占星術的な指標は、ランガムのものと同じく、主に企業の設立時のチャートや証券取引所のチャートへのトランジットである。

ランガムとジェンセンの両氏は、スタンダードなアスペクトの性質(有利なトライン、不利なスクエアなど)と、木星が価格を上昇させ、土星が価格を下落させるといった惑星の性質を利用するアプローチをとった。この初期の研究の問題点の1つは、占星術的な指標を与えてはいるが、ほとんど検証を行っていないことである。

トランジットが何を意味するかは説明され、おそらく1つか2つの例が示されるが、(上記のセファリアルの場合と同様に)その指標がどれほど信頼できるかを示す体系的な試みはないのである。もう一つ、すべての初期の研究で注意しなければならないのは、市場の性質が時間とともに変化するという点である。

1930年の証券取引所に上場していた企業の多くは、製造業、重工業、自動車やトラクターの製造業など、工業系の企業だった。しかし、21世紀の今、その多くはテクノロジー企業や通信企業であろう。前者は火星と土星に象徴されたかもしれないが、後者は水星と天王星となりえる。

つまり、株式市場全般のトランジットに対する反応は、75年前とは大きく異なる可能性があるのだ。この初期の研究のいくつかは、現代の株式市場という状況で繰り返されることもあろう。

ルイーズ・マクワーター (Louise McWhirter)

マクワーターの株式予測理論

1930年代後半、ルイーズ・マクワーターは、非常に興味深い研究を行った。月のノースノードが獅子座にあるとき、最も経済活動が活発で、水瓶座にあるときに最も不活発になる。株式市場との相関はかなり弱いが、経済、特にアメリカの経済に顕著な影響を及ぼしており、これは今でも有効である。

彼女は、木星と土星のノードへのアスペクトや、天王星へのアスペクトなど、多くの新しい要素を分析した。マクワーターは、1850年から1938年までのアメリカの経済活動の詳細な分析を行っている。彼女の分析は、あくまでもアメリカに関するものであるが、その経済に関する徹底的な分析がなされており、さらなる研究の必要性を示唆している。

株式市場(といってもNY市場だけだが)に関する彼女の作業は、企業の設立日のチャートに対するトランジットに基づいている。毎月、新月チャートを計算し、トランジットとの惑星同士のアスペクトと、それらがネイタルチャートのどこに位置するか(特にネイタルチャートのアングルやハウスとの関係)を考慮するのである。

マクワーターはニューヨーク証券取引所のレクティファイ・チャートを使っており、ミッドヘブンが24PI28に、アセンダントが14CA17に位置している。これらの角度は他者の提案とは異なり、1792年5月17日、40N45, 73W57に設定するのが一般的なようである。通常、モーニング・チャートが好まれ、アセンダントが26CA13と11LE39のレクティファイ・チャートも他の作家によって提案されている。

マクワーターは、会社設立日チャートへのトランジットによって、個々の企業の株価を予測することに着目した。最近では、ビル・メリディアンが、最初の取引日チャートへのトランジットがより効果的であることを発見している(後述)。

ギャン (W D Gann)

ギャン

W・D・ギャンは謎の人物である。彼は、1920年代初頭から1950年代初頭まで、さまざまな市場に積極的に投資し、その手法についても執筆していた。最も有名な市場投資家の一人であり、特にコモディティ市場について多くの本を書き、その手法に関する講座を開いていたにもかかわらず、彼が占星術をどう使っていたかについては、ほとんど分かっていない。

彼が重視したのは、価格チャートとその中のパターンというテクニカル分析の道具だった。彼の著作では、30日、45日、1年、年の端数、固定の年数などが用いられている。これらの期間の多くは占星術のサイクルに対応しているが、ギャンの占星術の詳細については満足に解明されてはいない。

天王星と海王星のアスペクトが3月から4月の間に起こると、ミシシッピーデルタの綿花栽培地の降雨量と洪水、ひいてはその年の綿花の収穫量と価格に影響を与えると予言したことは、彼の手法としてある程度確かなことである。また、カーディナル・イングレスと中間点(フックスド・サインの15)も、特に太陽にとって重要であったが、おそらく他の惑星にとっても重要であったことが分かっている。

ギャンと占星術の利用については、インターネット上に多くの資料がある。要約しても、それだけで長くなりすぎるので、興味のある人は検索してみるとよいだろう。

ドナルド・ブラッドレー (Donald Bradley)

ドナルド・ブラッドレー

1940年代半ば以降、ドナルド・ブラッドレーは、占星術の研究に積極的に取り組んでいた。彼が最もよく記憶されているのは、サイデリアル星座の支持と、1948年の短編本『Stock Market Prediction: The Planetary Barometer and How to Use It(株式市場予測:惑星のバロメーターとその使い方)』である。

この本の中で、彼はアメリカの株式市場を予測するために、ブラッドレー・サイデリオグラフと呼ばれるものを開発した。これは、月を除くすべてのトランジット・アスペクトの加重和を用いたものである(トロピカル、サイドリアルのいずれを用いても構わない)。完全な解説を探すのは難しいので(彼の著書は入手困難)、以下のように簡単にまとめてみた。

すべての惑星において、その惑星と他のすべての惑星との間にある角度を取り、それがコンジャンクション、セクスタイル、スクエア、トライン、オポジションのオーブ15度以内にあるかどうかに注目する。もしあれば、そのアスペクトとオーブに応じた重み付けがなされる。スクエアとオポジションはマイナス、セクスタイルとトラインはプラスになる。

コンジャンクションの重みは、関係する惑星によって異なる。オーブ内にアスペクトがある場合、2つの惑星間の度数をみて、15からそれを引く、さらにそれを15で割って、最後に10をかける。つまり、アスペクトがコンジャンクションでは10となり、オーブが15度の場合は0となる。

惑星の36の組み合わせは、中間サイクルと長期サイクルに分けられ、木星から冥王星までの10の組み合わせが長期サイクル、他の26が中期サイクルとされる。

最後に金星と火星のディクリネーションを求め、ノース(北)であればプラス、サウス(南)をマイナスとする。金星と火星の値を足して2で割る。10 の長期サイクルの の値(2 で割ったもの) を合計し、この数に 4 を掛ける。それに、26の中期サイクルの数値と金星と火星のディクリネーション値を足したものが、その日のブラッドレー・サイデリオグラフの値となる。

ブラッドレーのモデルを研究し、改良を加えた人は多い。ある人は30度と150度のアスペクトを、ある人はカイロンとケレスを、またある人は45度と135度のアスペクトを追加した。どのコンジャンクションがポジティブで、どのコンジャンクションがネガティブかについては、多くの議論がある。また、このモデルがどの程度正確なものであるかという点でも、意見の一致は得られていない。

個々の指標を足し合わせるだけでは単純すぎるようだ。それらは相互作用し(下記のウィリアムズの研究を参照)、3つの惑星が形成するコンフィギュレーションや、惑星がアスペクトするミッドポイント、太陽/火星が外側のアスペクトをトリガーするなども重要である。しかし、ブラッドレーは、金融市場の包括的な占星術モデルを作成したおそらく最初の試みとして重要である。

デビッド・ウィリアムズ (David Williams)

金融占星術

20世紀後半に活躍したファイナンシャル・アストロロジストとして有名なのが、デビッド・ウィリアムズである。彼の著書『Financial Astrology(金融占星術)』(1982年にAFAから再版)は、アストロエコノミクスと株式市場の占星術の両方を考察したものである。彼の大きな貢献のひとつは、複数のアスペクトを見ることだった。複数の惑星のパターンを体系的に詳細に見たのは彼が初めてだったようだ。

例えば、天王星と対立する土星は通常市場にとってマイナスだが、木星が土星と同時にトラインになると、そのマイナス効果が無効になるというように、ウィリアムズは混合パターンを考慮した。彼は、自分の占星術の指標の予測が成功したものだけでなく、失敗したものについても議論し、その理由を指摘している。

特に1950年代半ば以降、金融市場のダイナミクスを研究する占星術師ではない多くの研究者は、一定周期のサイクルに着目していた。ウィリアムズもまた、これらを研究していたが、占星術のサイクルと関連させていた。

多くのサイクル研究者が報告している9.2年周期を、彼はノードサイクルの半分(18.6年)と関連づけ、株式市場の安値は天秤座0と牡羊座0のノードに、高値は蟹座0と山羊座0のノードに従っていることを明らかにした。

彼は、火星と木星のコンジャンクションとオポジションのシークエンス、および太陽と水星のスペリア・コンジャンクション(外合)とインフェリア・コンジャンクション(内合)の結果を報告した。彼はまた、これらのアスペクトが黄道帯のどこで起こるかを分析し、アスペクトの黄道帯での配置を考慮すべきことを最初に示唆した一人であった。

火星と木星のサイクルは、より信頼できるものの一つである。株式市場は、それらのコンジャンクションとオポジションで安値をつけ、安値の後、約70度で高値をつける。

ウィリアムズの著書『Financial Astrology(金融占星術)』は、相場における占星術に関心のある人なら、一読する価値がある。

トーマス・リーダー (Thomas Rieder)

金融市場の惑星のパターン

トーマス・リーダーは、1972年に『Astrological Warnings and the Stock Market(占星術の警告と株式市場)』を出版した。ウィリアムズ(上)のような現代の金融占星術師の多くと同様に、リーダは金融市場における複数の惑星のパターンに関しての理解に重要な貢献をしている。

例えば、火星の逆行ステーション(留)は市場の下落をもたらす傾向があるが、火星と外惑星がスクエアまたはオポジションにあり、トラインまたはセクスタイルにない場合、その下落幅ははるかに大きくなる。

この時のタイミングの指標は、スクエアやオポジションといったアスペクトではなく、ステーションであった。ステーションはアスペクトのトリガーとして作用していた。

リーダーはアメリカの株式市場の研究の中で、火星のダブルサイクル、または「サブハーモニック」サイクルにも注目した。これは、火星が黄道帯を2周する4年半のサイクルのことである。このサイクルは、、火星逆行のステーションが、交互に強い影響を与えることが分かっている。ダブルサイクルについては、また後ほど紹介する。

クリフォード・C・マトロック (Clifford C Matlock)

クリフォード・C・マトロックは、占星術界ではあまり知られていないが、1977年の著書『Man and Cosmos(人間と宇宙)』において、いくつかの興味深く重要な考えを紹介している。彼は、それまでの他の人たちと同様に、米国の株式をいくつかのサイクルとアスペクトに関連して考察したが、非常に現代的なサイクルの見方で行った(この本の前半で彼はこれを展開している)。

おそらく初めて、サイクルは対称的なアスペクトとしてではなく、それぞれが体制を持つと見なしたのである。さらに彼は、市場が複数のサイクルを持つという性質を強調し、次のように述べている。”異なる長さの数々のサイクルが同時に作動し、相互作用し、組み合わさって不規則な集合体を作り出している。”

この例をあげると、彼は月の4つのサイクルを考察していた。月と太陽のサイクル、月が通る黄道帯のサイクル、月とノードのサイクル、月のアポジー(遠地点=地球から最も遠い地点)のサイクルである。4つの周期はそれぞれ振幅は小さいものの、長さが異なるため、時間の経過とともに周期がずれたり、強まったり、打ち消されたりしている。そのため、特定の月のサイクルの影響がほとんどないように見えるときもあれば、とても強くなるときもある。

興味深いことに、月太陽サイクルと月ノードサイクルは、似たようなの動向がみられる。どちらも、各サイクル内のほぼ同じ位置にターニングポイントを持つ傾向があり、多くのアストロロジーサイクルとは非対称性を示している。市場はそれぞれのサイクルの約3分の2はゆっくりと上昇し、3分の1は非常に急速に下落する傾向がある。

マトロックの研究で、もっと調べていくべきことがある。彼は、太陽と月のサイクルで、太陽が十二宮のどの位置にあるかによって、その詳細が異なることを発見した。この発見は、多くの研究者によって無視されてきたものであり、非常に実りある研究分野となる可能性がある。

最後にマトロックは、太陽-火星、太陽-木星、太陽-土星、太陽-天王星、太陽-海王星のコンジャンクションとオポジションを、また火星-木星、火星-土星、火星-天王星、火星-海王星のコンジャンクションとオポジションを考察した。最も強い影響を及ぼしたのは、アスペクトの前の30日間であった。すべてのケースで、その30日間には平均以上の相場上昇が示されていた。

ビル・メリディアン (Bill Meridian)

ダウ・ジョーンズ指数とアストロロジと

ビル・メリディアンは、ファイナンシャル・アストロロジーにおいて深い貢献をいくつもしている。1985年にJournal of the Astrological Associationに初めて掲載された彼の研究では、火星とベスタのサイクルに着目している。これは、小惑星に注目した最も早い研究の一つだった。その周期は約3.9年で、よく言われる4年周期と非常によく似ている。

彼の分析は、ダウ・ジョーンズ指数を使って行われた。火星がベスタより90度進んでいるときに相場はピークを迎え、240度進んでいるときに安値をつける傾向がある。 しかし、Meridianは自身のウェブサイトで、転機が最近になって約15度後ろにずれていることを指摘している。占星術のサイクルに関する初期の著者の多くは、サイクルは対称的であるとみていた。つまり、サイクルの最高点と最低点が180度離れていると仮定していた。メリディアンは、火星-ベスタサイクルで下降期が150度、上昇期が210度の長さであることを発見した。

彼はまた、アメリカのダウ・ジョーンズ指数における太陽と月のサイクルについても非常に詳細に調べている。市場の性質が変化するにつれてサイクルがどのように変化したかを見るために異なる期間を調べる必要があることが明らかとなったことを示している。

メリディアンのもう一つの貢献は、個別企業のチャートを利用した株式取引である。ある企業の株価を予測するために使用するチャートは、起業の日、法人設立の日、株式の新規公開(IPO)の日、あるいは証券取引所で初めて取引された日などいくつも考えられる。

メリディアンは、ファースト・トレード(最初の取引日)が重要なチャートであると主張し、多くの例と、そのチャートへのトランジットの影響について論じている。彼は、著書『Planetary Stock Trading III(惑星株式取引3)』の中で1000以上のファースト・トレード・チャートを提供している。

メジャイ・ソサエティ (Magi Society)

メジャイ・ソサエティ

メジャイ・ソサエティはアメリカを拠点とするグループで、ネイタルやファイナンシャル・アストロロジーを行う方法を開発した。それは、惑星間パターンに基づくもので、惑星同士のトラインやT字型などだけでなく、たとえば4つの惑星が長方形を形成しているなど、必ずしもトラインやセクスタイルである必要はない、というものだ。

彼らの重要な進展は、ディクリネーション(赤緯)のアスペクトの重視(経度のアスペクトと同等の重みを与える)、ヘリオセントリックとジオセントリックの両方のアスペクトをみる、ファイナンシャルにおける重要な惑星としてカイロンを使うというものである。

トランジットのパターンを使って市場(特に株式市場)を予測するだけでなく、トランジットと企業の設立日のチャートや、ファーストトレードチャートに利用することもある。メジャイ・ソサエティの手法の中には、一見すると奇妙に思えるものもあるが、探求する価値がある。

チャールズ・ハーヴェイ (Charles Harvey)

マンデーン占星術と金融占星術

チャールズ・ハーヴェイは、20世紀後半における最も優れた占星術師の一人である。彼は、マンデーン占星術と金融占星術についてかなりの研究を行ったが、その成果のほとんどは学会などで発表された。そのため、アクセス可能な資料はほとんどない。

しかし、彼がハーモニクスに強い関心を持ち、金融市場との関連で(標準的な第1、第2、第3、第4、第6ハーモニックのアスペクトに加えて)多くの高次ハーモニックのアスペクトを研究したこと、およびこれがさらなる研究のための重要な分野であることがわかっている。

ハーヴェイはマイク・ハーディング Mike Harding とともに、低速の惑星同士のアスペクトと高速で移動する惑星によるトリガーについて興味深い研究を行った。1989年の木星と土星のトラインが、10月19日のブラックマンデー暴落の前の週末に太陽によっていかにトリガーされたかを指摘した。トリガーは、金融占星術の継続的なテーマである。

さらに、ハーディングとの重要な共同研究により、株式市場が、なぜそれぞれ反応が異なるのかを理解することができた。彼は、トランジットのアセンダントとミッドヘブンがサインを変え、さまざまな惑星とアスペクトすることによって、その日の「雰囲気」やトレーダーの感情的な反応がどのように変化するかを示した。たとえばロンドンとニューヨークでは角度の位置が異なるため、特定の瞬間の感覚はこの二つで異なるものになる。

グラハム・ベイツ (Graham Bates)

グラハム・ベイツ金融占星

グラハム・ベイツは、共著の『Money and the Markets (マネー・アンド・ザ・マーケット)』で、サイクルに関してと、アスペクトのトリガーに関する考えを展開した。マトロックやメリディアンと同様、ベイツは天体サイクル(惑星の黄道帯移動、あるいは2つの惑星間)を、マトロックやメリディアンと同様、ベイツは天体サイクル(惑星の黄道帯移動、あるいは2つの惑星間)を、いくつかのアスペクトとしてではなく、360度の移動の連続として扱った。

サイクルは対称的ではなく、主要な動きや高値・安値は必ずしも従来のアスペクトポイントで発生するとは限らない。また、サイクルの詳細は市場によって異なるため、単純な太陽星座のサイクルや太陽と月のサイクルでも、英国のFTSE100株価指数と米国のDow Jones株価指数では異なることを指摘している。

前述のように、リーダーは火星の二重サイクルを発見し、逆行するステーションが一回おきに強力になることを明らかにした。ベイツはこれをさらに進めて、水星-天王星、太陽-火星、月-木星の2重サイクルと、ヘリオセントリックでの水星が黄道帯を通る3重サイクルの詳細なグラフを示している。この分野は、もっと研究されるべきである。

最後に、リーダー、ウィリアムズ、ハーヴェイが発見したように、ベイツは、木星と土星のような外惑星アスペクトの市場タイミングは、より速い惑星、通常は太陽によるトリガーに依存していると指摘する。この点についても、さらなる研究が必要な分野である。占星術による市場の動きのタイミングの改善は、トリガーに関するより詳細な研究によってもたらされるかもしれない。

金融占星術のソフトウェア

クローンやアダムズからマトロックに至るまで、上記の研究者のほとんどは、手作業による計算と分析を行わなければならなかった。PCの登場は、占星術師が長いデータを詳細に研究する可能性を広げた。1980年代後半から開発された金融占星術のソフトウェアが、これを促進した。

ロバート・ハンドとビル・メリディアンは、1987年にアストロラーベ・ソフトウェア社で AstroAnalyst を開発した。それまでもPC用の占星術プログラムはあったが、金融占星術の研究用に特化したものはこれが初めてだった。1989年には、Air Software社のアルフィー・ラヴォワ Alphee Lovoie が「Market Trader」プログラムを開発。

これらのプログラムは、価格系列とアスペクトやサイクルを統合し、例えば転換点でのアスペクトの検出をシンプルかつ視覚的に行うことができるようにした。それ以来、他の多くのプログラマーが、しばしばトレーダーを対象としたこのようなソフトウェアを制作している。

今後は、できればそれぞれの手法を詳しくみて紹介できればと思っています…

 
 

ソースはこちら⇒Financial Astrology in the 20th Century